CONCEPT WORK | コンセプトワーク事例

割烹 緋彩かっぽう ひいろ

高級感のある、架空の割烹・和食店『割烹 緋彩』の筆文字ロゴのコンセプト設計の事例をご紹介します。

※実在の店舗ではなく、コンセプトから設計する過程をお見せするための創作です。

割烹 緋彩の看板モックアップ

店名「緋彩」を、店構えの看板に乗せたモックアップ。

STEP01

「緋」と「彩」のそれぞれの意味

濃く明るい深紅色。古来より高貴な色とされ、太陽や火、そして生命の象徴。

美しい色合い、彩り、輝き。料理においては、見た目の美しさを意味する大切な言葉。

読み方の「ひいろ」は、通常は「緋色」と書きます。そこをあえて「彩」の字を当てることで、単なる色の名前を超えた、芸術的なニュアンスを持たせています。

CONCEPT

ここまでの意味をふまえて導き出したコンセプトが——静かな情熱と、季節の輝き。ここから先は、このコンセプトを軸に、名前の由来(02)とブランドの世界観(03)を組み立てていきます。

STEP02

「緋彩」の名前の由来・背景

店主は、長年日本料理の修行を積む中で、料理の核心は「火」と「色」にあると考えるようになりました。「緋彩」という店名には、その姿勢とお客様への約束が込められています。

緋(ひ)
料理人の内なる情熱と、厨房で赤々と燃える炭火の熱気。マグロやカツオの赤身、生命力あふれる京野菜の赤など、食材が持つ力強い「命の色」。
彩(いろどり)
静かなカウンターの中で職人の手仕事として昇華された、内に秘めた想い。皿の上に表現されたとき現れる、四季折々の美しい彩り。
店名に込めた想い
「緋」の情熱と「彩」の昇華、その両方を込めたことから、あえて「緋色」ではなく「緋彩」の字を選んだ。看板の文字には、凛とした品格の中にも、奥底に熱いものが流れているような表現を求めている。
STEP03

「緋彩」の世界観——どんな店で、誰に届けるのか

「静かな情熱と、季節の輝き」というコンセプトを、実際にどんなお店として体現するのか。料理・立地・内装・価格帯・お客様像まで、具体的な輪郭を描きます。

料理
近江牛・土佐あかうしの藁焼き・炭火焼き、天然本鮪の造り、季節の赤い野菜の前菜、〆は土鍋ご飯。「火」と「色彩」の対比を楽しませる正統派和食。
立地
港区・西麻布、路地裏の隠れ家。看板は小さく、知る人ぞ知る佇まい。
内装
モダン数寄屋造り。樹齢200年の吉野桧の一枚板カウンター8席。墨色の漆喰壁に緋色の漆花器、職人の手元を照らすスポットライトと足元の間接照明。
客単価
夜 40,000〜55,000円(おまかせコース33,000円+酒・サービス料)。
お客様
50〜60代の経営者・役員層。大事な接待や記念日に利用し、書道や骨董など日本の伝統美に造詣が深い方。派手なブランドより、職人のこだわりと静寂を好む。
STEP04

コンセプト設計を「線質・形・レイアウト」に落とし込む

ここが、雰囲気で書く筆文字との一番の違いです。固めたコンセプトからキーワードを抜き出し、その一つひとつを「ではどんな線で?どんな形で?どう配置すれば伝わるか?」と、書く前に言語化していきます。そうして、実際に出来上がったコンセプトシートがこちらです。

コンセプトから抜き出したキーワード

静かな情熱 炭火の熱気 生命力 凛とした品格 静けさ 四季折々の彩り
CONCEPT SHEET 割烹 緋彩
細すぎず芯のある線で品格を出す。全体は端正に整えつつ、要所の一画だけ筆勢とかすれを効かせ、内に秘めた熱をにじませる。
背筋の通った縦長・重心高めの字形で、凛とした立ち姿に。崩しすぎず、高級割烹にふさわしい緊張感を残す。
レイアウト
たっぷりの余白で隠れ家の静けさを表現。中心を外さない安定配置で、落ち着きと格を持たせる。
この店
ならでは
店名の核「」に最も筆勢を集中させ、店の情熱を一文字に込める。朱の落款を効かせ、墨の静けさの中に「緋色」をひと差し。

この設計図があるから、何十枚書いても方向がぶれず、コンセプトに合う筆文字ロゴへ着実に近づけていけます。

STEP05

同じ「緋彩」を、まったく違う2つの筆文字ロゴに書き分ける

同じ店名・同じコンセプトでも、表現の方向性はひとつではありません。ここでは形の異なる2案をご提案。微差ではなく、明らかに性格の違う筆文字を書き分けられるのが強みです。

Type A 緋彩 Type Aの筆文字ロゴ

カスレをつけた波線と線の強弱で、店主の内なる情熱と炭火の熱気を表現しています。

Type B 緋彩 Type Bの筆文字ロゴ

「彩」は四季折々の料理が美しく盛り付けられている様子をイメージ。「烹」の口を土鍋に、れっか(4つの点)を炭火に、糸編を炎に見立てて仕上げています。

表現の方向性は違っても、判断するときに見るポイントは同じです。読めること、その店ならではの個性があること、ロゴとして美しく成立していること。この3つを、私は筆文字ロゴの「3つの絶対条件」としています。

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店名やキャッチコピーに込めた想いを、一筆に翻訳します。
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