デザイン書道とは

私が考えている「デザイン書道」とはどのようなものなのかを作品を交えてご説明します。

デザイン書道は広告媒体で使われる筆文字

デザイン書道とは一般的には広告媒体で使われる筆文字の事を言います。しかし私の考えるデザイン書道とは看板や商品ロゴなどの広告媒体に使う筆文字をメインとして制作している上であれば、インテリア書や命名書やウェルカムボードのようなギフト系に使う筆文字やパフォーマンス書道などもデザイン書道の一部だと思っています。

商品ロゴや看板などに使用する筆文字であればデザイン書道なのか?というとそうではありません。「イメージを筆文字で表現する」のがデザイン書道です。そのためには力強い書体やカワイイ書体など様々な書体が書けないといけません。この「イメージを筆文字で表現する」とは具体的にどういうことなのか?私が仕事で実際に提案した作品を例にご説明したいと思います。

イメージを筆文字で表現すること

笑屋の筆文字比較

こちらは『笑屋』と書かせていただいた企業ロゴです。クライアントが持っているイメージを汲み取って筆文字で表現したのがこちらの3案は、それぞれ違う表情に見えると思います。各案を言葉で説明してみると下記のようなイメージかと思います。

  • A案:モダンで落ち着きのある文字
  • B案:スタイリッシュなで勢いのある文字
  • C案:繊細ながら面白みのある文字

このように同じ文字でも線の書き方や文字の形を変えることで、全く別のイメージを与えることができるのです。今回の3案は全て高級感のある書体ですが、書き方を変えれば親しみのある文字にすることも可能です。書道の書体の楷書や行書、篆書、隷書などでは表現できるイメージに限界がありますので、オリジナルの書体をクライアントの要望に合わせて創作していくのがデザイン書道です。

文字の意味を筆文字で表現することもできる

インテリア書であれば、同じように書体を作って書くことで喜怒哀楽など筆文字で表現して作品を見た人にイメージを持たせることができます。例えば『暑』という文字だったら暑そうに見えるように書いたり、『寒』だったら寒そうに見えるように書くことができます。

手書きの筆文字である意味

これらのことはパソコンのフォントでも表現することはできますし、最近は筆文字フォントも多く出ています。しかし、それらは世界にひとつだけのオリジナルではないので、様々な所で使用されている可能性が高いです。

筆文字フォントは多くなってきているとはいえ、同じフォントを多く見かけますし、表現したいイメージに合うのがあまりないのが現状です。均等の取れたきれいな文字を使いたいのならパソコンのフォントの方がいいですが、手作り感や特別感などを出したいときにはデザイン書道の文字という選択肢もいいのではないでしょうか。